~天猫国際が輸入食品のリスク管理体制を強化~
近年、中国における越境EC市場は拡大を続ける一方で、消費者の安全意識や品質に対する要求も高まっています。
こうした背景のもと、中国最大級の越境ECプラットフォームである天猫国際(Tmall Global)は、輸入食品に関するリスク管理およびリコール対応体制の強化を目的とした新たな運営方針を公表しました。
今回のルール改定では、越境輸入食品に対する責任体制がこれまで以上に明確化され、海外ブランドおよび販売事業者に対して、より高いレベルでの品質管理とリスク対応能力が求められることになります。
新ルールの主なポイント
1. 海外事業者の責任明確化
輸入食品に関する品質問題や安全リスクが発生した場合、海外販売事業者が責任主体として対応することが明確化されました。
販売済み商品についても、必要に応じて回収や消費者対応を実施することが求められます。
2. 中国国内受託企業の登録義務化
海外事業者は、中国国内で合法的に設立された企業を受託先として指定し、プラットフォームへの登録を行う必要があります。
当該企業は以下の業務を担当します。
- リコール通知の受領
- 行政およびプラットフォームへの報告対応
- 消費者からの問い合わせ対応
- 品質問題発生時の連絡窓口応
3. リコール対応体制の整備
販売、リスク監視、回収対応、消費者コミュニケーションまでを含む一連の管理体制の構築が求められています。
問題発生時には迅速な対応計画の提出が必要となります。
日本企業が注目すべきポイント
中国市場における食品および健康食品の管理は年々高度化しており、商品の品質そのものだけでなく、サプライチェーンの透明性やトレーサビリティも重要な評価項目となっています。
特に日本の健康食品を越境ECを通じて中国保税区へ輸入する場合、原産地証明書(Certificate of Origin)の提出が必須となっています。企業は製品ごとに原産国および製造情報を明確に管理し、関連書類と商品の整合性を確保する必要があります。
また、日本国内で流通している原料であっても、中国の輸入規制により使用できないケースがあります。特に海洋動植物由来原料については、中国側の規制により輸入·販売が認められない原料が存在するため、商品企画や中国市場向けSKUの設計段階から十分な確認が必要です。
中国市場では、品質そのものに加え、「原料の由来を証明できること」「調達経路を説明できること」が重要なコンプライアンス要件となっています。日本ブランドにおいても、商品開発段階から原料管理および関連文書の整備を進めることが、今後ますます重要になると考えられます。
今後の展望
中国越境EC市場は引き続き成長が期待される一方で、市場ルールは「成長重視」から「品質重視·コンプライアンス重視」の段階へ移行しています。
今後、日本ブランドが中国市場で持続的な成長を実現するためには、品質管理体制、トレーサビリティ、消費者保護対応を含めた総合的なコンプライアンス体制の構築がますます重要になると考えられます。
当社では、中国市場に関する最新の制度·プラットフォーム動向を継続的に分析し、日本企業の中国事業展開を支援してまいります。